ライオンズクロニック

外野で垂れる能書き

打ち勝つライオンズ野球の総得点はリーグ4位

今日は打撃面の振り返りです。


前半戦におけるライオンズのチーム総得点はリーグ4位の356点。


今のライオンズ野球は投手王国で守り勝つ野球・・・ではなく、打ち勝つ野球であることを考えると、これは物足りません。



前半戦終了時点でパリーグに出塁率4割以上の打者は6人。


うちライオンズの選手が2人。


勿論栗山選手と秋山選手です。


しかし前半戦86試合における秋山選手の1番、2番出場が80試合あるのに対して、栗山選手は42試合。


つまり前半戦半分以上の試合で2番に2人より出塁率の低い打者を置いた形になります。


その選手の出塁率は

(カッコ内は先発2番での出場試合数)


金子選手 .328 (14試合)

木村選手 .286 (11試合)

浅村選手 .194 (7試合)

鬼崎選手 .264 (4試合)

渡辺選手 .250 (3試合)

外崎選手 .167 (2試合)


最近3年のパリーグの平均出塁率がだいたい3割3分なので、金子選手でようやくギリギリ平均値。

これでは金子選手も含めて全員2番に置く打者じゃありません。


つまりこの選手起用により、出塁率の高い2人の間を「分断」し、更に2人の出塁率の高さをクリーンアップに繋げなかった形になります。



そのクリーンアップ。

前半戦で3番打者起用はメヒア選手が38試合、栗山選手が18試合、浅村選手13試合、森選手11試合。


(打率 OPS 打点 本塁打)

メ 打率.212 OPS.706 24打点 8本

栗 打率.264 OPS.773 07打点 1本

浅 打率.191 OPS.634 08打点 2本

森 打率.319 OPS.934 11打点 3本


OPS.934を記録した森選手以外は全員酷いの一言。


要因としては

・メヒア選手、浅村選手とも絶不調期に数多く3番起用されたこと

・栗山選手はそもそも3番向きじゃないこと

・森選手をもっと多く先発起用できるような準備をさせなかったこと

・後ろが不調中村選手なので四球OKで攻められたこと


などの理由があがります。



4番打者起用は、中村選手が65試合でメヒア選手が21試合


中 打率.254 OPS.789 31打点 12本

メ 打率.253 OPS.922 24打点 8本


中村選手は先発起用=4番なので、たまたま不調期に4番起用されたなんてありません。

とにかく打てませんでした。


メヒア選手のOPSなら4番として相応しいと言えますが、中村選手はやはり低く、その中村選手が前半戦の3/4にあたる65試合で4番起用ですから、得点増えないのも当然。


尚、不調不調と言われる日本ハムの中田選手ですが、81試合の出場で64打点。

中村選手は81試合換算でも39打点であり、明らかに少な過ぎです。



5番起用は浅村選手が53試合、メヒア選手12試合、栗山選手8試合、森選手7試合


浅 打率.324 OPS.864 26打点 9本

メ 打率.349 OPS1.324 16打点 8本

栗 打率.286 OPS.769 1打点 0本

森 打率.231 OPS.679 3打点 1本


こちらは浅村選手が53試合でOPS.864は高評価して良いでしょう。メヒア選手は短い試合数故の値ながらもエクセレント!


要因としては好調期に数多く5番として起用されたこと(浅村選手5月中旬〜6月前半、メヒア選手4月〜5月前半)が挙げられます。


尚、2人の月別成績は(打率 - OPS)

メヒア選手

4月 .315 - 1.014

5月 .253 - .882

6月 .202 - .768

7月 .295 - .905


浅村選手

4月 .210 - .594(笑)

5月 .378 - 1.017

6月 .264 - .724

7月 .283 - .809



以上を見てみると、打線を分断する打者を数多く2番に置き、4番に不調選手を固定起用し、好調期の浅村選手・メヒア選手を3番でなく5番に置いたことで、出塁を多くする選手と打てる選手が打順の上で離れてしまい、得点が増えなかったと考えられます。


また、森選手をキャンプから打者一本で準備させなかったことで、せっかくの貴重な打力をチームの戦力にすることができませんでした。


メヒア選手、中村選手、浅村選手と森選手を合わせた4人のうち2人が不調でも残り2人が普通以上の調子であれば、秋山選手、栗山選手の直後にその2人を置くことで得点力はかなり伸びたと思います。


しかし森選手に打撃練習をさせずに戦力計算出来なかったのでこれが3人になり、不調選手が2人出た時点で相手は無理に好調選手と勝負する必要がなくなってしまいました。


実際、浅村選手が4月に、メヒア選手が6月に不調になり、そこへ中村選手がだいたい前半戦を通して不調だったことで、3人中2人が不調の時期が長かったです。


尤も、仮に森選手を打者に専念させていたとしても、田辺監督の頭の中は「4番は中村選手」なので、結局戦力の分散が起きてしまってそんなに得点は伸びなかったかもしれませんけど。


ということで、


・戦力の分散

・中村選手の不調

・調子に関係なく固定起用

・森選手の扱いの誤り


これがリーグ4位の得点に留まった理由だと思います。


4点中3点が采配によるもの・・・或いは中村選手の不調も、調整を本人任せにせずにいたらと捉えるとすべてですが・・・だけに、昨日振り返った投手面同様に柔軟性と先見性に欠けた選手起用がライオンズの足を引っ張りました。