前回の続きと辻監督
前回の続き・・・
の前に
辻監督就任発表!
ライオンズ黄金期の不動のセカンド。
その後、野村監督下のヤクルトでもプレーしています。
引退後はセリーグ3球団の指導者として携わり、野球中継解説者の経験もあるなど、次期ライオンズ監督候補として名前が挙がっていた秋山氏、宮本氏、辻氏、そして潮崎ヘッドコーチの中ではいろんな意味でバランスがとれている人物のように思います。
このタイミングで細かいことは書きませんが、これまで選手としてコーチとして複数のチームで複数の監督・・・名監督も迷監督も・・・間近に接してきたでしょうし、その中で将来自分が監督になった時のことをイメージしてくることもできたと思います。
また常勝期のライオンズも弱いチームも見てきた中で思うところもたくさんあると思います。
それをぜひ発揮して5年後10年後に振り返った時に、「思い返せばライオンズが変わったのは辻さんが監督になってからだ」と言われるような存在になってくれることを期待します。
もちろん来年いきなり優勝しちゃうのが一番ですけど(笑
でもその為には周囲をどんなコーチで固めるかは非常に重要です。
実際のところはここでフロントの本気度がわかるんじゃないでしょうか?
単なる看板(監督)の架け替えで終わるのか、本当に強いチームにしていくのか・・・
それがきわめて難しいのも知っていますが、出来ればコーチはしがらみなしで辻監督が選んでほしいし、更に言うならば近年にコーチとして優勝を経験している人を要職につけたいところですがはたして・・・
と、いうわけで前回の続きです。
前々回のブログで今シーズンのパリーグの中で、ライオンズだけが得失点に見合った成績を残せていないと書きましたが、これ、実は昨シーズンも一緒です。
ライオンズ2015
631得点 573失点 +58
これで得失点差+34の日本ハムに突き放され、-2のロッテにも競り負けて4位という成績。
ロッテより60点も得失点差が多いのに順位は下だったということで、ライオンズの勝負弱さ、試合とシーズンのマネジメント下手はここ2年何にも変わっていません、ということでした。
さて、そういうことを認識しつつ、今年のライオンズです。
ライオンズ2016
618得点 617失点 得失点差+1
昨シーズンより得点は13点減少し、失点は44点も増えてしまいました。
まずは投手陣から見ていきます。
先発投手陣防御率と投球回数
2015年 3.82 823回
2016年 4.10 801回
※2016年 3.25 849回 (日本ハム)
リリーフ投手陣防御率と投球回数
2015年 3.49 441回
2016年 3.42 469回
※2016年 2.67 434回 (日本ハム)
先発投手は昨年比で22イニングも負担イニングが減り、当然その分のしわ寄せがリリーフ陣に乗っかっています。
優勝した日本ハム比較で言うと先発防御率は0.85も悪く、投球イニングは48イニングも少ない・・・
如何に先発投手が崩れた試合が多かったかを表しています。
逆にリリーフ陣は昨年より多くの負担を強いられたにもかかわらず、防御率はむしろ若干ながらも向上。
リリーフ投手陣防御率はリーグ4位ながら3位のロッテ(3.35)と僅差。
もし先発投手が頑張って、あるいは別の要因があって、リリーフ投手陣の負担をもっと減らすことができていれば、ロッテを上回る防御率もあり得たと思います。
さて、では問題の先発投手ですが、一応2015年を先に見ておきます。
先発投手陣を投球イニング上位で並べると
(投手名 防御率 先発投手としての投球回数)
①十亀 3.59 148回
②牧田 3.70 124回
③野上 4.41 122回
④菊池 2.80 131回
⑤岸 3.02 110回
⑥郭 5.57 72回
⑦ルブラン 4.23 44回
⑧髙橋光 3.07 44回
その他 28回
合計 823回
要約すると
防御率2点台 131回
防御率3点台前半 154回
防御率3点台半ばから4点台前半 438回
防御率5点台 72回
全般に防御率が高めではありますが、例えばこの年、怪我で出遅れた岸投手、菊池投手は順調にキャンプを過ごしてシーズンを迎えられたら2016年のパフォーマンスアップは間違いないとの期待がかかりました。
またこの年がルーキーイヤーの髙橋光成投手も輝きを放っていて、2016年は更なる躍進が期待されました。
同様に郭投手の成長と、ルブラン投手に代わる外国人投手・・・
これらのせめて半分でも期待通りに働いてくれたら十亀投手、牧田投手、野上投手にはより余力を持ってイニングイーターとして仕事ができてパフォーマンス向上できる・・・とすれば、2016年は優勝した日本ハムの先発投手陣防御率3.25は無理でも3.50は切る数字は出してくれるのではないか・・・
なんて妄想したわけですが、実際は防御率は4点台にまで悪化。
2016
(投手名 防御率 先発投手としての投球回数)
①菊池 2.58 143回
②岸 2.49 130回
③髙橋光 4.14 111回
④野上 3.45 99回
⑤多和田 4.38 98回
⑥十亀 6.31 71回
⑦バンヘッケン 6.31 45回
⑧ポーリーノ 4.12 43回
その他 61回
合計 801回
要約すると
防御率2点台 273回
防御率3点台半ばから4点台前半 351回
防御率5点台前後 0回
防御率6点台 116回
2015年とはっきり違うのは防御率3点台半ばから4点台前半のイニングイーターゾーンが80イニング以上減り、逆に新たに防御率6点台なんて層が出現してここがなんと100イニング以上投げていること。
イニングイーターゾーンは牧田投手がリリーフに移り、前年はここで155イニングも投げてくれた十亀投手が新ゾーン(笑)に移行してしまった分を、新人多和田投手、高卒2年目髙橋光成投手で負担したけれど埋めきれず、といった構図。
またその新ゾーンは本来あってはならないゾーンであり、端的にいえば十亀投手、バンヘッケン投手ともとにかく酷過ぎたし、そこから登板チャンスを奪う若手も出てこなかったということになります。
前回のブログで日本ハム優勝の要因を
・若手投手の台頭
・外国人投手の成功
・適切な配置転換
と書きました。
若手投手についていえば一応多和田投手、髙橋光成投手といて、せめてあと一人、ドラフト順位的には佐野投手なり、誠投手なり、或いは佐藤勇投手なりが80イニングを3点台半ばから後半くらいで乗り切ってもらいたかったですが、残念ながら伸び悩みました。
外国人投手はバンヘッケン投手、郭投手のどちらも機能せず、これ以外にもセットアッパーとしてつれてきたCCリー投手もまったくだめで、バスケス投手も本拠地が苦手なのを首脳陣に嫌われてまったく使われなくなり、途中連れてきたポーリーノ投手もチームの絶不調期に重なって結果が出ず・・・で事実上全滅。
このうちせめて2人でもリリーフで使えたら牧田投手を先発に戻してイニングイーターゾーンで使えたはずですが、とにかく外国人投手が全部だめだったので配置転換すらできませんでした。
マイナス要素はこれだけで終わらず、ここに更に潮崎台風が吹き荒れました。
馬鹿みたいにシーズン序盤から中4日、中5日なんて無理使いせず、中6日でまわして適度にローテを飛ばしつつ休みを与えていたら①②の2人であと少なくとも40イニングくらいは計算できた筈だし、③の高橋光成投手はオールスターまでであれば、防御率3.32で76イニング。
おそらく間に休養をはさんで使ってあげられれば後半戦も防御率3点台半ばくらいで50イニングくらいは投げてくれた筈でしたが・・・
若手は台頭せず、外国人投手が全滅し、これにより配置転換の選択肢を失って防御率6点台の投手を何度も先発させることになり、さらに潮崎台風が主要投手のパフォーマンスを低下させて防御率4点台の先発投手陣が完成した、というわけでした。
戦犯をあげちゃうと、若手は仕方ないにしても、十亀投手と外国人投手全員(スカウト)と潮崎ヘッドコーチです。
次回は打撃部門・・・
しかしこれ、書いていて心楽しいものではないですね(汗