ライオンズクロニック

外野で垂れる能書き

貧乏球団に必要なFA流出マネジメント

菊池投手のメジャー希望の話が出ていました。


母校の後輩に「最後に残るのは仲間」と説いてメジャー希望というのはある種のネタかと思わなくもないですが、個人的には想定内なので特に何とも思いません。


FAでメジャーに行かれるくらいならポスティングでメジャーに行かせた方が球団に上限2000万ドルの移籍金が入る為、海外FA権取得の1年前にポスティングで、というのが現実的な路線でしょう。


気を抜くとストレートばっかりのパワーピッチングになって疲労をためがちな菊池投手がシーズンを投げ抜くために、最短でメジャーへ行くために、どういう考えを持って個々の試合に臨むのか注目したいところです。





ということで、以下本題です。


これまでもライオンズは随分と多くの選手をFAで失ってきました。


選手は人間ですから、個々に様々な価値観があります。


チーム愛がある栗山選手や引退した西口投手のような選手もいれば、メジャー挑戦を希望する選手、もっとお金が欲しい選手、もっと優勝できるチームでプレーしたい選手、40歳までプレーを続けるのに適した環境が整っているチームを望む選手、選手晩年は両親の住む故郷の近くでプレーしたい選手・・・


西武にお金があれば、メジャーという夢や故郷を大事にする選手は引き留めるのは難しくとも、お金を求める選手は勿論、延いては設備や優勝を求める選手をも引き留められるのかもしれませんが、残念ながら西武にはお金がありません。


選手年俸はせいぜい総額30億程度が限界。

設備投資はとりあえず目につきやすい1軍の球場が最優先なのは当然としても、2番手以降には延々と手が付けられない。

もう7年も優勝がなく、今後も望めて何年に一度?


となると、チーム愛がある選手と冷静な判断でライオンズの残った方が得と考える選手以外・・・


だいたい選手がFA権を取得したら7〜8割方出て行くもの、という前提に立ち、各選手が出て行くまでのその選手の能力を使って如何にチーム力を最大化するかを考える必要があります。


「残ってくれる」ことを前提とせず、出ていくことを前提として行き当たりばったりではなく常にFA権利取得時期を把握して、3年後、5年後のチーム状況を想定して補強やドラフト戦略を考えていく。


これが出来ているのが日本ハムでしょう。


日本ハムもライオンズ同様に選手年俸総額は30億程度が限界でしょうし、一定の金額で収まる中での球団運営を大前提としているように見えます。


陽選手の扱いなんかを見ていると今の主力選手に頼るのはあと◯年と決めてチーム運営をして、一定の条件や年俸を超える選手はむしろどんどん積極的に流出させる一方、死に駒をなるべく作らないようにトレードを積極的に活用して常にチームの活性化と長い目線でのチーム力の最大化を目指して実践しているのでしょう。


人気選手や有力選手をずっとチームに留まらせつつチームも優勝できたら最高ですが、限りある予算の中ではそれが難しいことを認識した上で最大のファンサービスはチームが優勝することと捉え、選手一個人に対しては徹底してドライに徹する・・・日本ハムのフロントは凄いですね。


3年連続Bクラスの責任をとって球団本部長が編成部長との兼任から球団本部長専任になるライオンズのフロントにそれを求めるのは「ごく控えめに」表現して極めて難しいのは百も承知ですが、僅かでも見習って貰いたいものです・・・




そして・・・

選手が出ていくのであれば、それを1年でも先延ばしにするような選手起用についても考える必要があります。


フリーエージェント権利は国内FAの場合は8シーズン、海外FAの場合は9シーズンの出場選手登録で取得です。


1シーズンのカウントには145日以上の出場選手登録が必要になり、出場選手登録日数が145日に満たないシーズンがある場合は、それらのシーズンの出場選手登録日数を合算して145日に達したものを1シーズンとしてカウントしますので、原則として怪我や不調で1軍から離脱したりすれば権利取得時期は先に伸びることになります。


例えば秋山選手のように、成績的にもスタミナ的にも1シーズン通して当然に貢献してくれることが求められる資質が既に証明されている存す在であれば、FA権取得時期を先延ばしにするような起用は無理でしょう。


でも2016年シーズンの髙橋光成投手のように、そもそも過去の成績的にもスタミナ的にも1シーズン通しての貢献を前提とすべきではない選手を、疲労困憊に陥って本来の力が出せない状態になっても延々と1軍に置いておく=出場選手登録し続けるような起用は、FA権取得時期を無駄に縮めている起用法と言わざるを得ません。


ローテーションを1回飛ばすのに登録抹消しないで1軍に置いておくなんてのは、1試合を戦う上での登録枠の無駄使いであるばかりではなく、FA流出対策としても愚の骨頂ということになります。


以前のブログに選手個々の調子や状態を長い目線で捉えて、シーズン全体を通して沢山勝つための起用をする為に、適切な休養を与えるべく登録と抹消をする必要があると書きましたが、それがFA権取得時期にも結果的に良い影響を及ぼすということです。


個人的にはFAの制度自体に不満がありますが、もうこれを撤廃する流れなど望むべくもないのですから、貧乏球団に不利なこの制度が今後も存在すると認識し、為すべきことを徹底的に突き詰めて考えてフロントと現場が一体となって貰いたい・・・


なんて期待するのは無理でも、とりあえず田辺監督〜潮崎ヘッドコーチのラインでは出来なかった適切な登録と抹消を、辻監督〜橋上コーチ&土肥コーチ(森コーチ?)ラインではやってくれると信じたいです。





〜オマケ〜

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これは一昨年のとあるネットニュースからの抜粋です。


これを見ると・・・


・・・大抵の問題はお金で解決できるってことですね(サラリーマンと一緒にするな!笑)