ライオンズクロニック

外野で垂れる能書き

ツキはライオンズにあり

昨年「神ってる」なんて言葉がありましたが、これは日本ハムの為にあった言葉と思えるほど、日本ハムはやる事なす事すべて上手くいった印象が強いです。


勿論背景には事前の周到な準備があってのもので、その徹底した周到さが最後は運すら呼び込んだ部分もあるのだと思います。


しかし、じゃあ日本ハムが今シーズンの優勝候補筆頭かと言うと、そこはやはり何処まで行ってもソフトバンクで変わりはありません。


ソフトバンクの2016年シーズンの貯金29は十分に優勝チームの貯金数に到達していて、と言うか楽勝でもおかしくない貯金数であり、2014年シーズンに優勝した時より10以上も多いものでした。


また2016年シーズンの得失点差+158は2015年シーズンとほぼ同等で2014年シーズンを大きく上回ります。


別に「神ってる」ことは何もなくてもそれだけの数字が残せるソフトバンクの強さ、選手層は揺るぎなく、仮に昨年イデホ選手が残留していたり、或いは昨年時点でソフトバンクにデスパイネ選手が加入していたとしたら、どんなに日本ハムが「神っていた」としてもやはりソフトバンクが優勝していたことでしょう。


そういう目線を持った上で、WBCの大谷選手の欠場に伴うソフトバンク武田投手の出場を考えてみます。



日本ハムは昨シーズンオフにトレードで吉川投手(2016年防御率4.19)を放出し、バース投手(同3.65)が退団。


この2人で2016年シーズンに投げていた200イニング以上を別の誰かが投げなければなりません。


また報道にあるように増井投手がクローザーに専念するなら増井投手か2016年シーズンに先発として投げた60イニング(防御率1.10!)も誰かが負担する必要が生じます。


打線の顔ぶれは殆ど変わりませんから、過去2シーズン続けて記録している620得点弱から大きく伸ばすことは難しく、投手陣のパフォーマンス低下はそのまま順位の低下に繋がります。


昨年活躍した高梨投手や加藤投手にかかる更なるパフォーマンスアップの期待は大きいでしょうが、ともにシーズン通してローテーションを守った経験はなく、2016年に100イニング前後投げていますので更なる消化イニングの上乗せは出来たとしても、2人合計でプラス60イニングくらいがせいぜいなところでしょう。


あとは外国人投手の大当りに頼りたいところでしょうが、新しく獲得したエドウィン・エスコバー投手はおそらくは素材型で、現状ではストレートとスライダーだけのリリーフタイプ。


少なとも2017年シーズンに150イニングを防御率3点台で投げ切るなどありえない(決めつけww)とすれば、出番は防御率5〜6点台の斎藤投手あたりに回りますが、そうなっては勝てません。

2015年がそうであったように。


これに加えて、昨年も大車輪の活躍をした増井投手と宮西投手がWBCに招集されてシーズンへの影響が避けられないことを鑑みれば、大谷投手の出場と関係なしに、連覇への道は相応に険しい道であることが伺えます。


昨年までには名前がなかった投手のニューフェイスが出てこないと連覇はないと言う栗山監督の言葉は、謙遜でも何でもなくかなり現実的なものでしょう。



一方、神っていなくても30近い貯金に+160近い得失点差を作り出すソフトバンク。


そのソフトバンクに新しく加わった「戦力」で注目したいのがデスパイネ選手・・・じゃなくて、達川ヘッドコーチです。



昨年のオールスター前に日本ハムの栗山監督が大谷選手を1番・投手で起用した時に、地上波のスポーツニュースでこれを口を極めて批判し、


「私なら二刀流はやらせない、投手として毎試合完投させて、オールスター前も散々投げさせてこき使う、それがチームが勝つ為の采配」


そう強く主張していたのがその時の達川解説者です。


強い持論を持つ就任初年度のコーチは自分の色を出そうと躍起になるもの。


また、昨シーズンは工藤監督も武田投手と千賀投手の2人は特別扱いをして、限界でも将来を見据えて経験のために引っ張る傾向が強くありましたので、達川理論を肯定する余地も十分あるでしょう。


WBCという負荷を背負ったシーズンで若手先発投手を「こき使って」くれたら、マイナスの相乗効果が齎される筈で、大谷選手の欠場によってその相乗効果が及ぶ対象が1人ではなく2人になるというのは、ライオンズにとってはプラス材料。


言い換えれば、大谷選手のWBC欠場によりライオンズの優勝確率は上がったと言っても良いかもしれません。










・・・0.1%くらい