ライオンズクロニック

外野で垂れる能書き

リソースを生かしきれなかった今シーズンのライオンズ

ってことでよーやくライオンズです。



選手名 RC27 (試合数)


規定打席到達
秋山   6.40 (671打席)
浅村   5.96 (611打席)
メヒア   5.75 (583打席)
栗山   5.57 (569打席)
金子   3.90 (520打席)


規定打席未到達のうちRC27が高い値の選手(100打席以上でRC27が4.00以上)
中村   4.78 (432打席)
森     5.91 (392打席)
渡辺直  4.20 (207打席)
山川   7.04 (157打席)




ライオンズの外野手と言えば秋山選手、栗山選手。
秋山選手のRC27の値、打席数とも文句なし。
栗山選手は569打席で、残り一枠及び栗山選手が出場しなかった打席相当分を森選手、金子選手、坂田選手(RC27は3.30)以下で補った形です。


森選手、金子選手とも外野手としての出場と同じくらい他のポジションでの出場も多かった選手なので一概に外野手として評価することは難しいですが、やはり森選手の打撃力とその得点への貢献度は非常に高く、同時に金子選手は二遊間の選手としてみるならば十分な数字でも、外野手として見るならば他球団比較で明らかに劣る得点への貢献度でしかないことが伺えます。
(・・・これは盗塁王に対して少々悲しいですが、また別のブログにまとめて書いてみたいと思います)


次にファーストとサード。
ファーストはメヒア選手と山川選手でほとんどを務めました。
2人とも非常に高いRC27で文句ありません。


サードは人数多く、中村選手、渡辺直選手、金子選手、木村昇選手などでぐるぐる回しましたが、日本ハム、ソフトバンクとも5.00以上の選手が務めたことを考えると、この中でRC27が最高の中村選手が47試合出場して残りはそれ以下の選手で回したここがライオンズのウィークポイントとなりました。
他にサードができる選手はおらず、中村、渡辺直の2選手で回せると考えた首脳陣の甘さが如実に出ました。


DHは主として中村選手、メヒア選手、森選手、栗山選手。
中村選手の数字がものたりませんが、他の選手の値がみんな高いのでトータルとしては十分な値になったと思います。
・・・が、後で触れますがリソースという点で考えるとはたして使い切ったといえるのでしょうか?
中村選手を大きく上回るRC27の値を記録する選手が規定打席未到達選手の中にいますが・・・


セカンドについては、セリーグには怪物君がいますが、パリーグの中ではこんなRC27を残せるセカンドは浅村選手以外にいません。もう素晴らしいの一言でこれがライオンズの武器。


ショートも人数多く、呉選手、鬼崎選手、金子選手、永江選手など。
一律低いRC27でたぶん平均すると3.00残せたかどうかですが、日本ハムの中島選手も3.16ですからまぁこんなものです。


捕手も捕手として規定打席到達者はなし。
炭谷選手、森選手、岡田選手で回しましたが、森選手が一人で高い値を出した一方、炭谷選手のRC27が1.55はいくら何でも低すぎ・・・
でもまぁ平均すると他球団と大差はなさそうです。




以上のことから、リソースの活用という点から考えます。


この選手をもっと打席に立たせていたら・・・という選手が日本ハムにもソフトバンクにも怪我の選手を除けばいなかった一方でライオンズには2選手もいます。


RC27が5.91と素晴らしく高いのに392打席しか打席に立っていない森選手、そして同じく7.04を叩き出しているのに僅かに157打席しか立っていない山川選手です。


これはリソースをフル活用したとは言い難い事実です。


森選手は500打席、600打席と立たせてその攻撃力、得点貢献能力をフルに発揮させたかったところですが、キャンプ期間に捕手の練習がメインでバットをろくに振っていないことで開幕から2か月を無駄にしてしまいました。(4月は48打席で打率.209、5月は4打席で打率0割)
打者として準備してクリーンアップを打っていれば月90打席前後×2の180打席はRC5.91と浅村選手に匹敵する得点能力を発揮できていたはずで、これを生かす形をとらなかったキャンプからの調整方法には大きく疑問が残ります。


また、日本ハムのファースト中田選手、ソフトバンクのファースト内川選手のRC27はともにやや物足りないものでしたが、他にそれ以上に打てる選手はいなかった為にこの2選手こそが一番打てる打者であったことからリソースは活用したと言えました。


ライオンズの場合はどうでしょう?
ライオンズは外野手の一枠とサードとDHに物足りなさがありました。
このうちサードは他に任せられる選手がいなかったことから仕方のないものだったと言えますが、外野手とDHは他に打てる選手がいました。


外野手については先ほど触れた森選手、


そしてDHは・・・山川選手です。


象徴的なのが7月。


中村選手は6月16日に怪我で末梢された後、2軍の試合に1試合出場しただけで7月1日に再登録されましたが、そこから1か月間はほぼDHで固定起用されたものの打率.194とまったく打てずに7月30日に末梢。
中村選手の6月の打率は.219と既に完全に調子を落としていて、軽度だったとは言え怪我は再調整させる絶好の機会でしたがそうはせず、調子の悪いままの中村選手を復帰させてしまいました。


そしてその中村選手と入れ替わりで6月30日に末梢され、7月30日に登録されたのが山川選手でした。


山川選手は6月に16打数4安打1ホームランとその兆しを見せ始めていたにも関わらず抹消され、
7月30日に中村選手と入れ替わりで登録されると7月30日、31日の2試合だけで8打数3安打2ホームラン。
ここからホームランを量産していきました。


もし7月に中村選手が立った77打席を山川選手が立っていたら・・・




残念ながら、ライオンズはそのリソースを活用しきったとは言えず、もっと得点を奪えたはずでした。


それができなかった要因の一つは選手の長所を最大限に伸ばすことを主眼に置かない起用と育成方法がリソースの活用を阻害してしまったこと。


もう一つは不調の主力を補う選手がいたのにそれを活用しきれなかったこと。


中村選手の不調は残念でしたが、それは中村選手のRC27と近い値しか残せなかった日本ハム・中田選手やソフトバンク・内川選手(はもう少し上ですが)も同様。


日本ハム、ソフトバンクと違い、ライオンズにはそれを補う選手がいたのに・・・




最後にトータルの数字を見ておきましょう。


ライオンズは


RC27が5.00以上の打者が6人で2983打席


これは日本ハム、ソフトバンクより人数で1人多く、打席数ではソフトバンク比較で600打席以上、日本ハム比較で700打席以上も多い一方で、ライオンズには日本ハムにもソフトバンクにもいたRC27を9.00前後を叩き出すようなスーパーマンがいませんでした。


スーパーマンの不在は今さら嘆いても仕方ありません。
その代わりライオンズには2球団よりRC27が5.00以上の打者が600打席以上多く立っていて、さらにこれを延ばせる要素があるのですから、実質はRC27で5.00以上の選手がレギュラー1人以上多いということ。


この強みを最大限似活かす以外にライオンズが2球団に勝つ道はないということでしょう。




ってことでとりあえず得失点差から振り返った今シーズンのライオンズはこれで終了ですが、次回以降でここから見えてきたことを振り返って、来季に向けての補強とか、選手起用とか、今のライオンズがやるべき「ライオンズ野球」について触れてみたいと思います。