ライオンズクロニック

外野で垂れる能書き

4/19 vs楽天 打算が誤算に変わる過程

楽天

110 010 100 000 4

ライオンズ

000 002 020 001x 5


○多和田投手

中6日 6回 74球

7安打2四球3三振

3失点


ストレート   47球 63.5%

スライダー    25球 33.8%

カーブ      2球 2.7%



何かの意図があったのでしょう。

今日はフォークボールを封印。

カーブも2球投げただけ。


投球のほぼすべてをあえてストレートとスライダーにしました。


前回登板から今日までの間にバッテリーで話し合って調整してきたことが背景にあるのでしょう。


先週よりストレートのシュート回転度合いはある程度弱まって威力が増し、スライダーの精度も大分良くなって浮いて入ることが少なくなり鋭く低めに決まる球も多くなってきました。


勿論失投もそれなりにありましたし、楽天打線は実質ストレートとスライダーの2択でしたので狙い球を絞りやすかった部分もかなりあったでしょう。


失点シーンのうち、5回のペゲーロ選手のソロ被弾は完全な失投でした。


しかし茂木選手に打たれた初回のソロと2回のタイムリーはそんなに悪い球じゃなく、茂木選手を褒めましょう。


惜しむらくは2回の藤田選手への四球。

打たれたのなら仕方ありませんが、これにより茂木選手と勝負せざるを得ない状況を作ってしまいました。


尚、被安打の割に球数が少なかったのは楽天打線の早打ちによるもので6回までの18のアウトのうち、初球打ちアウトが5つ、2球目を打ってアウトが5つとアウトの半分以上は2球目までの球を打ってくれてのもの。


これは楽天打線が好調故に、かつ狙い球を絞りやすかった故に積極的に振ってきた結果であり、これにより余力を持って6回を投げ切れた部分もありますが、ストレートとスライダーだけで6回3失点のQS達成なら悪くなく、次の登板へ向けて少し兆しを感じさせてくれた今日のピッチングでた。



○リリーフ陣

7回の野田から大石投手へのリレーで1失点はしましたが、これは厳しい判定による部分もあり仕方ないでしょう。


8回からはシュリッター投手、増田投手、牧田投手、武隈投手と繋いで凌ぎきり、サヨナラ勝ちを呼び込みました。


先発の多和田投手も含めて5番の銀次選手を5打数ノーヒットに抑え、打線の中軸に分断ポイントが作れたのが大きかったです。




○打線

11安打2四球5得点

5回まで楽天先発の則本投手に2安打に抑えられてきましたが、6回から球が浮いてきたところを逃さず捉えました。


秋山選手の出塁から浅村選手が返す形を6回、8回、12回と3度作り、中村選手の特大アーチが出てと、ライオンズの理想的な形です。


下位を打つ外崎選手の2安打、代打田代のヒットもその後の秋山選手→浅村選手の流れへと繋がったもので見逃せません。


そして最後の浅村選手のサヨナラタイムリーは、直前の源田選手のバント失敗をはじめとする色んなミスも救いました。



○楽天ベンチの打算と誤算

楽天先発の則本投手は序盤は球に威力があり、変化球も多くが低めに決まっていましたが、球数が80球を超えた6回くらいから球が浮いてきて、7回終了時点で球数は116球。


もう球速表示程の球威もなく、浮き球が増え、8回はライオンズの上位に回る打順で1人でも出せばクリーンアップとの対戦。


本来ならどう考えてもここで降板でしょう。


しかし中継ぎ陣を休ませたい楽天ベンチは則本投手を8回も続投。


8回もマウンドに向かう則本投手の姿を見て、これはイケるかもと思ったライオンズファンも少なくなかったと思いますが、この1つの無理が次の無理やミスを呼び、それが連鎖していきました。


8回裏1死2、3塁から浅村選手が打ち上げたフライをショートが無理に追いかけすぎてタイムリーにしてしてしまう、更にタイムリーエラーが出る、どうしても使いたくなかった筈の中継ぎを結果的に総動員する・・・


これらの無理やミスという隙にライオンズの選手たちの全力プレーがどんどんつけ込んでいって、最後は楽天ベンチが一番使いたくなかった新人投手からサヨナラ勝ち。


だったら最初から出しとけよ、でも今日は使いたくなかったんだよ、なら最後まで出すなよ・・・なんて思考が楽天ベンチと選手とファンの間にループしていたことでしょう。


今日の楽天の様子からアルキメデスが発明した機器を武器にしてローマ軍の侵攻を防いできたシラクサが、僅かな城壁の綻びから陥落する様子を連想しちまいましたが、うん、それは大袈裟ですね(笑)




思えばウィーラー選手の大きなあたりが2つともホームランにならずにフェンス直撃の2ベースになっていた辺りから流れはライオンズに傾きつつあったのかもしれません。


ライオンズの個々の選手の頑張りが、「今日はなるべく中継ぎ陣を使わずに勝ちたい」なんて打算が透ける楽天ベンチの思惑が、焦りを経て、こんな筈では・・・の誤算に変わっていく過程に重なっていく様が最高に楽しかったです!





・・・とか思っちまうアタクシは性格悪いですかそうですかww

4/18 vs楽天 1本の進塁打も打てないライオンズ

楽天
010 010 000   2


ライオンズ
000 000 000   0



○高橋光成投手
中12日 7回 110球
8安打1四球3三振
2失点


ストレート   61球 55.5%
スライダー     26球 23.6%
フォーク    23球 20.9%



7回まで投げて三者凡退は7回だけ。
ほぼ毎回ランナーを背負うピッチング。


しかしその内容は振れている打者の多い好調楽天打線を相手に常に攻めの姿勢を貫いたものであり、打ちとった当たりでも土のグラウンドのゴロ故にヒットになったものも多く、8安打という数字ほど打たれた印象はありません


今日はフォークよりも多く投げたスライダーの精度が高く、欲しいところで見送りストライクが取れ、ファールでカウントを稼ぎ、空振りを奪い、ゴロを打たせと大きな助けになってくれて、前回登板ではたくさん与えまくった四球を1に留めるのにも大いに役立ってくれました。


失点シーンは2回に3連打で文句なしに取られた1点と、5回は1死2塁から完全に打ち取った当たりを投内連係の拙さからヒットにしてしまい、さらに内野ゴロゲッツー崩れの間の勿体ない1点。


2回は失点後の更なるピンチでゲッツーを奪うなどして複数得点を許しませんでしたし、5回の失点は実質エラー絡みみたいなもの。


ビシッと三者凡退に抑えて流れを引き寄せる形にこそなりませんでしたが、楽天打線にとって2得点というのは今シーズン最少。


十分に先発投手としての責務は果たしました。




○打線
4安打1四球無得点


楽天先発の辛島投手の前に初回は三者三振。


今日の辛島投手はストレート・変化球ともキレがあってコントロールも良く、そうそう連打は期待できないことは最初からわかっていました。


ではその中で今日の試合に勝つために何をすべきか?ということになるのですが、辛島投手に6回90球と球数を投げさせることもできず、ランナーを出してもたった1本の進塁打も打てず。


楽天打線が土のグラウンド故のゴロヒットを量産(どっちの主催試合だよ!)しているのに、ライオンズ打線は辛島投手が降板する6回までの18のアウトのうち三振8つ、フライ&ライナーアウトが6つ・・・


調子落ち、レベル落ちの投手が出てきたら滅多打ちする一方、良い投手が出てくると沈黙するいつものライオンズ打線でした。





○監督、コーチの仕事って何ですか?
象徴的なのは8回裏
点差は2点
ノーアウト2塁


打席には開幕から起用され続けている打率1割6分の7番打者。


代打なし。


そして7番打者は「ここで最低限しなければならないことは何か?」という意識も何もないバッティングでセンターフライ。


ライオンズの方針はいつだって好球必打。


何の指示も出ないし、チーム指導もないから打率1割6分の打者がそういう打撃をするわけです。


結局ノーアウト2塁のランナーは3塁に進むこともなくスリーアウト。


2点差のままなら、9回は楽天松井投手もソロならOKの楽なピッチングができてしまいます。


少なくともここで1点をとっておけば多少は希望もつながる中で、最低でもランナーを3塁に進めてヒットが出なくても何とか得点する可能性を高めるような、泥臭くても何とかして1点をもぎ取るような野球ができない・・・




ライオンズは今日で6敗目。
うち完封負けが3つ。


実にライオンズらしい負け方でした。

素晴らしい投手陣と物足りない攻撃陣

昨日までのロッテ戦を終えて、一応対戦カードが一巡しました。



チーム成績は
12試合7勝5敗 貯金2



○投手陣
ここまでのトータル防御率は2.55


先発防御率 3.03
救援防御率    1.56


極めて優秀。


先発投手陣では多和田投手以外は皆結果を出していますし、先発投手陣の頑張りにより救援投手陣の負担イニング数が少なくしていることが救援防御率を押し下げている要素も多分にありますので、先発と救援のどちらがではなく、両方とも素晴らしい成績を残しているといえます。


まぁライオンズは楽天と並んで最も消化試合数が少ないのでこれまで先発6番手を1度も投げさせる必要がなく、かつ5番手も1度投げただけという必然的に良い数字が出る条件が背景にあるんですけどね。


今週もまだ週5試合の日程ですが、来週からは週6試合が入ってきますので、そこで十亀投手が入って来れるかどうか、そして今の先発投手陣の体調管理の問題と、ただ一人結果が出ていない多和田投手がどうなっていくかなど、これから首脳陣の本当の仕事がはじまります。





○打撃陣


打率 .265
得点 53
HR 10


一見まずまずに見えますがこれだと中身が見えないので以下違った角度から。




○1,2番
1番打者の出塁率 .357
2番打者の出塁率 .241


昨日のボーナスデーによる「補正」が入ってもこの程度でははっきりと物足りません。


浅村選手   打率.434  11打点 2HR   OPS1.077
中村選手           打率.333  10打点 3HR   OPS1.037
メヒア選手       打率.326    9打点 3HR   OPS1.034


と、主軸の3人が素晴らしく好調ですが、1,2番打者の出塁率の低さが影響して現状では1,2番の得点(13)よりも3,4番の得点(18)が多くなっています。


1,2番打者がたくさん出塁してクリーンアップが返すことで、1,2番打者の得点とクリーンアップの打点が伸びるのが本来の形。


今後この形をどうやって作っていくかを再考する必要があり、個人的な希望とすれば打てる選手を固めて置く打順を組みたいところですが・・・



秋山選手、浅村選手、中村選手、メヒア選手、栗山選手、山川選手・・・



・・・なんて素人個人の妄想が実現しないのは知ってますww





○外野手
レフト    打率.098    出塁率.156  OPS.302
センター           打率.239 出塁率.357  OPS.640
ライト    打率.171    出塁率.239  OPS.410


センター(秋山選手)の出塁率だけがまあまあ見られる数字ですがあとははっきりと壊滅状態・・・


・・・というか、平たく言ってしまうと主軸3人以外はみんなろくに打てていないんですけどね。


外野手候補の一人であった金子選手が怪我をして、栗山選手のDH起用が増えたこともあって、メイン起用が田代選手、斎藤選手、木村文選手という過去実績がほとんどない選手になっていますのである意味では別に驚きのない数字ですけど・・・


金子選手が復帰したとしても昨年ベースではOPS.700に届かないし、栗山選手もフルではレフトを守れない・・・となると、オフの間にも書いてきましたが森選手が捕手起用である以上は外野手の補強は急務です。


今はまだ開幕して間もないので主軸とまともに勝負してくれています(そうじゃなくなったらプロ野球はますますつまらなくなってしまう)が、これからシーズンが深まっていくと主軸との勝負を避けて、アウトを取りやすいところから取る傾向は強くなっていきます。


また主軸3人の調子が落ちてきたときに、それ以外が調子に関係なくそもそも打てない選手だらけではチーム全体が低調になってしまいます。


それを補完する打てる選手の準備はやはり急務。




○エラー数
ここまで12試合で3失策


素晴らしい!


ですが、ライオンズは昨シーズンの8月時点で既にエラーの少ないチームになっていますので、今シーズンになって監督が代わったから劇的にエラー数が減ったわけではないことだけは認識しておく必要はあるかと。




○源田選手
開幕から全試合出場。


昨日のボーナスゲームで大幅補正が入って


打率  .239 
出塁率 .265


これでも出塁率があまりにも悪すぎます。


一方の守備は安定していて素晴らしく、ヒット一本分のプレーも何度もありました。
その辺りを鑑みた上での割引を考慮しても、出塁率が3割は超えてこないと・・・


打撃面の弱点ははっきり出てしまっていますが、対戦するのはそこに投げ切れる投手ばかりでもありません。
昨日はじめて四球による出塁がありましたが、今後もう少し四球を選べるようになれば出塁率も自然と上がってくると思います。




○山川選手
開幕から1軍帯同。
ようやく起用されたのが4月5日。
そしてその次が4月14日。


2軍の試合にも出場できていませんので、実戦感覚や試合勘なんか何もない中で試合に出ている状態に近かったでしょう。


14日からのロッテ戦は3試合とも出場して、4試合トータルの成績は


打率  .200
出塁率 .467


少ない打席数の中で四球を4つ選んでいることが効いて、出塁率だけで言えば実はチームナンバーワンだったりします。
強引なスイングも目立ちますが、追い込まれてからは考え方を変えていることが伺えますね。


山川選手は主軸以外での打てる候補筆頭。
守備位置が限られるのでファーストとDHが混みまくりですが、何とか彼が主軸の後ろを打てるようになってくれたら・・・





明日からは好調楽天との2連戦。
楽天は辛島投手と則本投手、ライオンズは高橋光成投手と多和田投手でしょう。


楽天打線に対して炭谷選手がどんな対策をしてくるか、また多和田投手がどれくらい立て直してくるか・・・ってなんだかまた天気が微妙ですが(汗